2013年2月24日日曜日

BootCampでWindows環境を構築するときの問題と解決方法

Mac上にBOOTCAMPで構築していたWindows領域のパーティションを変更して容量を増やそうとした。その過程でWindows領域だけでなくMac領域まで破壊されてしまい、復旧に約1週間もかかる羽目になった。

Windows領域のパーティション変更方法については別途書くとして、ここではまず
BootCampでWindows環境を構築するときの問題」を書いておきたい。

結論から言えば、やはり「普通の人は素直にWindows機を買ったほうがいい」。
BootCampによるWindows環境の構築は、導入からして大変だし、いざというときの復旧にも非常に苦労が必要となる。AppleにすればBootCampはおまけにすぎないし、Microsoftにしてもそんな特殊な環境知ったこっちゃないわけ(とは書いたが、実際にはマイクロソフト日本のサイトにはBootCampへのWindows7のインストール方法が詳しく説明されている。アップルよりよほど親切。)で、どちらからもサポートは期待できない。

で、その問題点。

・WindowsHomeServerによる、まるごと復旧が使えない
WindowsHomeServer(以下WHS)にはWindows領域をまるごとバックアップし、万が一PCが壊れても簡単に復旧できる機能がある。純正Windows機ではこれのお世話になりだいぶ楽ができた。が、BootCamp環境に対してはこれは使えない。
使えないどころか「MacOS領域も含め全て読めなくしてしまう」ので絶対に使ってはいけない
WHSの PC復元は、どうやら常にHDDの先頭からにWindowsがあると想定しているらしく、BootCampのようにパーティションを切ってWindowsを入れている場合を想定していない。
しかも、パーティションがあるかどうかの判断を全くせず書き込んでしまう。そのため、HDD先頭にあるパーティション情報を破壊して、MacOS/Windows領域共に起動できなくしてしまう。

MacのHDD内には復元領域が用意されているが、これまで見えなくなる。
ではあるがMacの偉いところは、この状態になってもネットワークさえつながれば、アップルに接続してOSをダウンロードして復旧できることにある。
このネットワークリカバリーを使えばMacOSはかろうじて復旧できるので、あとはTimeMachineから戻せばMac領域は復元できる。

でもWindows領域は復元できないので、BootCampで一から再構築する必要がある。

WHSで自動バックアップをしていればユーザーファイルは(知識があれば)復旧可能だが、アプリケーションに関してはそれでは戻らない。フォルダのコピーだけで戻せるMacOSとは大違いで、この辺り、WindowsはDOS時代から何も変わっていない、というかむしろひどくなっている。

・起動HDDはCHKDSK出来ない
Windowsにはディスクの問題を検知・修復するCHKDSKコマンドがあるが、BootCampを入れているディスクでは必ずエラーが出てしまい、実行されない。
このエラーはMacOSとの同居によるものなので無視して良いが、他に本当にファイルの問題が発生していた場合、例えばファイル書込み中に電源が切れてディレクトリエントリが破壊された場合なども復旧ができないことになる。フリーウエアも探してみたが、Bootドライブに対するチェックには皆制限がついており、解決できるものは見つけられなかった。

一部のエラーに関しては、MacOS上のディスクユーティリティーで「ディスクの修復」もしくは「アクセス権の修復」をかけることで復旧できる。まさかNTFS領域まで対応しているとは思ってなかった。
(うちではParagon NTFS for Mac OSを導入しているからかもしれない。)


・Bluetoothマウスの共有には手順がある
BootCamp環境であれば、当然周辺機器はMacとWindowsで共有することになるが、
Bluetooth機器の共有には手順がある。
Macで解除、Winで登録、Macで再登録
である。Macで登録されているBluetooth機器はなぜかWindowsで登録できない。
Windowsインストール中は使えるのだが、一旦Windowsが正常起動するようになると、機器としては見つかるのに登録できないという状態になる。
この場合、先にMacOS上での登録を解除すると、Windows側で登録できるようになる。
それでまたMacに戻って再登録すると、双方で使える状態になる。
この作業中は有線USBマウスが必要である。Bluetoothマウスしかないときはどうにも出来ない。

・USB光学ドライブにメディアを入れっぱなしにしていると、Windows側で排出できなくなる
BootCampにしてから、Windows側でUSB光学ドライブ の排出ができなくなった。
入っているメディアはちゃんと読めるだが、「取り出し」しても排出されない。
どうも、「メディアを入れたままMacOSを終了すると、OSによってメディアがロックされていることをドライブが記憶してしまい、Windowsに移動しても排出命令を拒否する」ようである。
回避するには、
 1. MacOS、終了時には必ずメディアを排出しておく
 2. そもそもメディアを入れっぱなしにしない
しかない。もしなってしまったら、
 1.強引にピンで排出するか、
 2.一旦光学ドライブをUSBから抜いてまた挿し直す
をする。ピンで強制排出した場合は排出禁止そのものは解除されないので、
また排出するならピンを使う必要がある。
面倒。
 →Windows終了時に光学ドライブを排出するフリーウエアを発見。
 Removables Eject and Mount Intelligence
 これを使えば、Windows上でしか使わないメディアであれば、Macで認識されて排出出来なくなることを一応防げる。本当はMac終了時に排出できるのがあれば良かったんだけど、見つけられなかった。


・同一USBハブ上に、キーボードとテンキーをさしていると、Windowsが起動しないことがある
Windows起動前の黒画面で止まってしまう。
まさかテンキーごときで引っかかると思ってなかったので、原因発見にえらく時間がかかった。別Hub(ポート)に指していると問題ないが、USB-HDDが USB1.1で接続されてしまうという別問題が発生することがある。こうなってしまう場合は、Windows起動後にテンキーを刺すしかない。
→USBキーボード/テンキーは先にMac→Windowsの順で認識させなければならないかもしれない。なんとなくそれで回避できたような気が。
→現在は、スイッチ付きUSBハブにテンキーを指すことで回避。面倒だし、OFFのまま起動し、そのままの状態でスリープすると、テンキーからスリープ解除できなくなるのが欠点(テンキーのドライバーがインストールされないから認識されない)。

毎回Windowsで起動させるには、WindowsのBOOTCAMP設定でWindowsで起動を選択しておかなければならない。
Macは基本的にMacOSから起動しようとする。OptionまたはAltキーを押しながら起動すると起動OSが選択できるが、これはその時だけの設定であり、次回起動時にはまた戻ってしまう。毎回Windowsで起動できるようにするには、Windowsのコントロールパネル内にあるBootCamp設定で、「Windowsからの起動」を設定しておかなければならない。Mac側にも起動ディスクの設定はあるのだが、なぜかWindowsからの起動という項目がない。→この問題は、MacOSからNTFSへ書き込みを可能にする「Paragon NTFS for Mac OS」を導入していると発生すると判明。その設定〜概要でBOOTCAMP領域を起動ディスクとして指定、しなければならない。ただ、指定してもどこにもなんの印もつかないのでわかりにくい。ここは改善して欲しいところ。

・MacのUSB1(本体中央側)にはUSBメモリ、光学ドライブ、HDDをつないではいけない
そこから起動しようとし、必ず失敗する(キーも効かないので電源ボタン長押ししかない)。
これはBOOTCAMP導入のネタに書いたこと。


ということで、BootCampでWindows環境を構築した場合色々と問題があるので、
普通の人、と言うか、そのあたりを全て自己責任で解決できる心構えのある人以外は
絶対に手を出すべきではない、と言いたい。

ちなみに、VMwareFusion等でMacOS上にWindows環境を構築したほうがよほど楽。
というか、別記事のバックアップも含め、全ての問題が解決される。
ただし、それはかなり遅いので常用するには難がある。

やはり、Windowsを使いたいなら素直にWindows機を買うのが一番である、という結論に達した。費用や置き場の問題でどうしてもしょうがないのなら、覚悟の上でBOOTCAMPを使うと。

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